タイのプーケットに弾丸旅行した話

無職なのに何も遊んでなくて、何とかして海外に行きたいと思っていた。
特にタイに行きタイと思っていた。
昔、いいデザインをする先輩がタイによく行っていたような気がするので、タイに行ったら私もいいデザインができるんじゃないかと思った。

ところで、無職になってからすぐにひとりで海外旅行に行ったことがある。
そこで旅行っていうものは誰かと感情や行動を共有するのが楽しいんだなぁと気づいた。
ひとりで行ったところで写真撮ったりするしかないからね。わぁすごい!って思っても隣にすごいね!!って言える人がいないし。

なので今回は友人を誘って行こうと思ったが軒並み断られた。
みんな仕事で忙しいらしい。有給使えよ!
でも絶対に行きたい!タイに行きタイ!アジアな感じに触れたい!

有給が使えないっていうなら3連休でタイに行けばいいのでは…?と考えた。私はよく世界地図を理解していなかった。

その話をしたらバカの友達が引っかかってくれた。
「翌日会社行くの疲れちゃうから、3連休のラスト1日には帰国して休んでたいなぁ!」ともっとバカなことを言い出した。
私は、たぶん何とかなるよ!と答えた。

金曜:夜出発
土曜:昼到着
日曜:夕方出発
月曜:早朝帰国

私はアラサーだけど、まだまだ若いつもりでいたし大学生のころは夜行バスとか使ってたから何とかなると信じ切っていた。
東京から大阪に行くくらいのノリでいた。

1日目 出国

20時くらいに成田空港で待ち合わせ。
私は昼にたくさん寝たけど、友人は仕事終わりなので既に疲れている。私は「あ、これは後々険悪になるな」と思った。

飛行機に乗って、まずはマレーシアのクアラルンプールへ。
そう、なんと飛行機代を浮かすために直行便ではなく乗り継ぎを行う。

途中クソまずい機内食を食べつつ、まだ心は浮足立ってる。念願のタイに行けるのがうれしい。
本当はバンコクに行きたかったけど、友人が「海に行きたい!」と言い出したのでプーケットになった。
(海に行きたいってことはゆっくりしたいってことなのに、こんな弾丸でいいのか…?)と疑問に思ったが友人に逃げられては困るので「プーケットの海はきれいだよ!ゆっくりしようね!」と言っておいた。

クアラルンプール到着

深夜4時くらいだったと思う。
ネットで調べた事前情報によると、ホテルがあるのでそこで仮眠ができるらしい。
しかし空港が広すぎてなかなか辿りつけない上に案内のお姉さんと意思疎通ができない。

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何度か空港内の電車???を行ったり来たりしてようやくホテルにたどり着いたと思ったら、フロントの人は英語がちんぷんかんぷんな私たちにしびれをきらして「もうない、部屋ないない(推測)」と言って追い出されてしまった。

友人がぶち切れ寸前でやばい。

仕方なく空港を歩いていると、みんな椅子の上で仮眠をとっている。
「もう私たちも椅子で寝る?」と聞くも無視される。

色々と絶望的だったが、搭乗ゲートのほうに仮眠室のような小さなホテルを見つけた。
ひと部屋空いてるとのことで早速チェックインした。
数時間しか眠れないけど空港を彷徨うより全然マシ!雨音を聞きつつ仮眠に入る。

起床

眠いが起きる。プーケット行きの飛行機に乗らなきゃいけないし、このままここにいると延滞料金を取られる。

空港には人が増え始め、飲食店も開店していた。
まずはごはんを食べよう。

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何だか異国感があってわくわくしはじめる私とは対照的に友人は淀んでいた。
そもそも旅行で「海のあるところでゆっくりしたい」っていうタイプだし「文化!歴史!観光!」な私とは合わないんだろうな。旅行でゆっくりするって何だよ。ハワイ行けよ。
こりゃ致命的だなと思いながら次々と飛び立っていく飛行機を眺めた。

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もうすぐ私たちも搭乗の時間。

プーケット到着

梅雨の時期だけど晴れててめっちゃ嬉しい!
空港からタクシーが出ているので大人しくそれに乗る。ぼったくりが云々とかよく聞くけど私たちには時間がない。すでに帰国の時が刻一刻と近付いている。

運転手にホテルの地図を渡すとOK!と車を出してくれた。
空港の近くの民家はカラフルでとても楽しい。

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しばらく進んでいると、突然タクシー運転手が小屋みたいな営業所の前で車を止めてしまった。
車を降りて「コーヒー飲もうよ」みたいなことを言ってくる。
こっちは帰国まで24時間を切ってるんだけど…。

営業所からおばちゃんが出てくると「帰りのタクシーも予約してよ」と言ってきた。
おまけに「プーケットファンタシー」という象のショーのパンフレットも出してくる。
知ってるよ、それ見ようかと思ったけど時間がなさ過ぎて断念したやつだよ。まさか現地で薦められるとは思わなかったよ。
「私たちは明日の4時にはここを出る」
と言ったらえらく驚いていた。やっぱりそういう反応になるよね、常識的にね。

はやくホテルに連れてって!と車に乗り込むとおばちゃんがウィンクしながら「ラジオはこれよね」と韓国語のラジオを流してくれた。
ジャパニーズだわ、くそ。

ホテル到着

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めちゃくちゃよいホテル。めちゃくちゃよい。広いし、よい。テンションがだいぶあがってきた。
しかしチェックインが14時からなので部屋に入れるわけもなく、あと2時間を潰さなければならないので空港からこちらに来るときに見つけた射撃場へ行くことにした。

プーケットシューティングレンジ

看板のB級感がすごい。本当に撃てるのか…?

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中に入ると一応銃が並べられていた。ひょろひょろしたお兄さんがどれ撃ちたいの?と近寄ってきた。
私は運動神経とかないし、大きい銃は怖いので普通のハンドガンを選択。
友人は射撃への憧れがあり、アイアムアヒーローを愛読していたため「英雄になる」とショットガンを選択していた。
肩が外れても知らない。

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ここの係員のお兄さんは今まで会った誰よりもジェスチャーがうまく、銃の扱いの説明もとてもわかりやすい。
まぁ扱ってるものが銃だから説明ミスは許されないんだろうけど、言葉の壁ってまじでジェスチャーで乗り越えられるんだなと感動した。

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狙い方、構え方など諸注意が終わると、突然お兄さんがカメラを取り出し私の前にやってきた。
どうやら銃を構えているところをイカした感じに撮ってくれるらしい。
いくら実弾を込める前とは言え、銃を構えた人間の前に立つなんて嫌だなぁと思いつつ、結構うまく撮ってくれるもんだからあとで購入してしまった。
くそ~コンデジで撮った写真なのに商売上手。

友達はショットガンで軽く肩を壊していた。

薬莢も持ち帰れたりするの?とお兄さんに聞いたら、手錠をされて連行されていくジェスチャーをしてくれた。さすがにだめらしい。

ランチ

予想よりずっと早く射撃が終わってしまい、ホテルのチェックインまではまだ1時間以上残ってしまった。
次はお昼ご飯に繰り出す。
せっかくなので海の見えるレストランでビールを頼む。めちゃおしゃれ。

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私たちの目の前にアジア系の女性ひとりと男性ふたりのグループがいて、女性が一心不乱に自撮りしている。
自撮りでは足りなくなった彼女は店員を呼びつけるとビーチの方まで歩いていき、さらに店員に一心不乱に撮影されていた。
疲れ果てた私たちはただただその不思議な光景を黙って見つめた。

テルチェックイン

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ホテルの部屋に案内されて、あまりの大きさに感動した。
うわわ~ここに住みたい!!ほんと何で弾丸旅行にしちゃったんだろ…と悲しい気持ちに。
こういうリゾートって最低でも1週間は休みを取ってぼ~っとするものなのでは…?うあああばかだったなぁあああ!フルーツのバスケットも置いてある。うわあああ食べる暇もないんだよおおお!

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早速ホテルのプールへ。
この日のために3キロやせる!やせてビキニの水着を着る!と思っていたけど1キロたりとも痩せなかったので水着はあきらめた。
友人はそもそも泳げない。
泳げないのになんでここまで海にこだわるのかわからない。しっかりして。

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プールサイドには野良猫が住み着いていいるようだった。
店員さんがかわいがりすぎて毛艶がはんぱじゃなくいい。こいつほんとに野良猫かよというレベル。骨格もきれいでかわいい。
なんかおしゃれなカクテルを飲みつつ猫を触る。弾丸旅行唯一の癒し。

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猫好きの友人がまったく猫を触らないので触れば?と聞いたら病気がこわいからやめとくと言われた。
まぁその通りなんですけども。アクティブ感ゼロだなこいつと思った。

タイ古式マッサージ

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プールの近くにタイ古式マッサージがあったので早速体験。
気持ちよすぎてグエッグェッとカエルが潰されたみたいな声が出る。恥ずかしい。
しかもそのまま寝てしまった。恐ろしすぎる。タイ古式マッサージ

終わって起こされるとあたりはもう暗くなっていた。はやい、時間の経過がはやすぎる。
しかし写真を見返す限りもう2泊はしたんじゃないかという充実具合。恐ろしい。the日本人の旅行って感じ。めっちゃ詰め込んで「ここに行った!これを見た!」という体験を重視するやつ。

夕食を食べよう!

そんなことも言ってられないので夕食を食べに外へ繰り出す。
今回、めっちゃ楽しみにしていたトゥクトゥクに乗る!

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これめっちゃかわいくない??タイのタクシーみたいなやつ。
いろんなデザインのトゥクトゥクが走っててめちゃかわ。
象の次に乗りたかったトゥクトゥクに乗れて満足!風を切って走るのが気持ちいい~!

私は普段、食べログも見ないし旅行パンフレットも見ないし行き当たりばったりで 良さそうな店を探すんだけど、友人がいるし美味しいものを食べたかったので今回は地球の歩き方に頼ることにした。
日本人旅行者の多数が愛読している地球の歩き方なら失敗はあるまい。

着いたのはビュッフェ形式のホテルのレストラン。
ビュッフェ形式のホテルのレストラン!といえば私の中では女子定番で、かつ美味しいものをたくさん食べることができるイメージ。数少ないタイでの食事、外すわけにはいかんのだ。
自分で料理を盛ると残飯みたいな見た目になって嫌なんだよなぁと思いつつ、地球の歩き方に乗っていたし外れないだろと食べてみるとどの料理も冷えていてまずい。これまじで一流ホテルの味なの?まじなの?
周りでは白人たちが美味しいとご飯を食べている。
冷えたから揚げ、しなびた野菜…よくよく考えたらこの場にタイ料理が存在しない。
そんな馬鹿なことってある?
地球の歩き方を見てみると「白人御用達」と書いてある。
つ、つまりあちらの方々の生活圏の食事であって、タイ料理が置いていない…?
友人のほうを見るとすでに1皿食べ終え「おなかいっぱいかな」と食べるのを諦めてしまっているようだった。つらい。

ここの写真が一枚もないことからも当時の悲惨な状態がわかる。

夜の街を歩く

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タイといえば夜遊び。
屋台を見たり、ちょっとお酒を飲んだりするのを楽しみにしていた。アユタヤにいけないなら、私はここを全力で楽しもうと思っていた。

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しかし問題は友人である。
普段から夜遊びをしないようなまともな人間なので、タイの雰囲気に「なんか怖いね…」と引いてしまっている。
海外に来てどうやったらここまでテンション下げられるんだよ。がんばれ。

私なんでこいつと友達なんだろう…と思いながらお土産屋さんを覗いて歩くとかわいいトゥクトゥクミニカーを発見。友人とおそろいで購入した。
私と友人の最初で最後のよい思い出となる。夜にしてやっとだよ。旅の相性ってあるなぁとしみじみ感じた。

「今日は疲れすぎて酒を飲んだら気絶する」と言われ、結局どのバーにも入店せず…。
せめて、せめて最後だけは…なんか夜遊び感がほしい…!とドゥクドゥク爆音を鳴らすトゥクトゥクを拾った。いええーーーーい開放感!めちゃくちゃイカす!かっこいい!光ってるしドゥクドゥクしてる。

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しかしめちゃくちゃかっこいいと思ったのは最初だけで、高級ホテルにドゥクドゥク爆音を鳴らしながら帰るのは少し恥ずかしかった。

あああ本当に帰宅してしまった。
しかもホテルの貴重品BOXの暗証番号を立て続けに3回間違えてしまい、従業員のお姉さんを呼ぶ羽目になった。恥しかかいてないし時間のロスしかしていない。一体何が悪いの?

明日こそは…絶対に充実させる…もう帰るけど…と思いながら就寝。絶対に充実させてやるんだ…。