バンコク4日目

バンコク最終日。

午前中の便で帰国予定。
7時ごろには空港に到着し、免税の手続きも済ませ、さぁそろそろチェックインしましょうかねとカウンターへ行ったら出来なかった。
…なぜ?

松本さんの語学力が炸裂。英語でぷんぷん怒ってくれている。
私はただ隣で「帰れんのか…?」という不安で空港のお姉さんと松本さんのやり取りを見守った。

どうやら私たちの乗る予定だった飛行機は、乗客が少なかったことから小さい機体に変更したとのこと。その際、何名かは逆に乗れなくなってしまい、まぁつまり私たちはあぶれたという訳だった。
そんなことってあるの…?

次回は15時の便ですとお姉さんはお澄まし顔で提案してくるが、えええ…そんなのってありなの…?あと5時間以上待ちぼうけするのか…。

絶望していたが松本さんがさらにぷりぷりしてくれたところ、お姉さんは2つ提案をくれた。

①1万ナンボかの返金
ビジネスクラス

「1万ナンボでビジネスクラスには乗れないのでビジネスクラス乗っちゃいましょう!」と松本さんが目を輝かせた。
このとき私はビジネスクラスというものを知らず、というか存在は知っているけどどんなものかは知らず、飛行機の前の方の席に座らせてくれるだけのサービスだと思っていたので「返金がいいなぁ…」と思ったが、私よりはるかに経験値が高い松本さんの言うことを聞いておけば間違いないか…と了承した。

ちなみに待ち時間は近くのホテルを2部屋取ってくれ、ホテルランチもつけてくれるそう。
え~~~すごい!クレームの潰し方としては最強だなと思った。
飛行機の時間を勝手に変えられたのはイラっとするが、ホテル、ランチ、ビジネスクラスときたら怒りがスルスルっと収まってしまった。
こうやってクレームって処理するんだなぁ~。むしろ私はタイ航空が好きになってしまっていた。チョロいもんである。

早速ホテルに行って仮眠を取る。
完全にバンコク滞在中のホテルよりいいホテルで寝るだけでは惜しすぎた…。

ランチの時間になってムックリ起きる。
なんだかお洒落なものが並ぶビュッフェ形式で味も大変美味しく想像以上に食べてしまった。なんだこれは幸せすぎる。素晴らしいタイ航空。

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その後タラタラ送迎バスに乗り、初ビジネスクラス
私はここで衝撃を受けるのだがビジネスクラスってもう部屋が違うというかエコノミーの席とは完全に違うフロアになってんだね。選民意識というか階級制度というか…。
これまでエコノミーの前方にある厳つい椅子がビジネスクラスだと勘違いしていた。こんな所に高いお金を払うのかぁ~と思っていたのだが平民過ぎて飛行機のクラスというのをまるで理解していなかったのだ。

ビールを浸み込ませまくったズボンと全面にゾウさんがプリントされたTシャツという恰好でビジネスクラスに乗っていいのかしらと少し不安になる。
周りはスーツのおじさんだらけだ。私たちだけ場違いで恥ずかしいぞ…。

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なにこれぇ~椅子が倒れすぎて仰向けになっちゃうよぉ~!
シャンパンから始まり、料理も次々に運ばれてくる。
フライト中ずっと食べてた記憶しかない。
松本さんは「高級な家畜になった気分ですねぇ~」と言いながらシャンパンを飲んでいる。
まさにそう。最高です。
家畜として思考力も低下し、ゾウさんTシャツも恥ずかしくなくなってしまった。

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無事日本に到着。
松本さんは席にあったアメニティポーチを鷲掴みし「持って帰りましょう!」と鞄に突っ込んでいた。
えっこれってくれるやつなの!太っ腹すぎる~と私もアメニティポーチを鞄に突っ込む。
このポーチが普通にしっかりしていて素晴らしいのだ。
中には耳栓やアイマスク、歯ブラシにスリッパなど飛行機を快適にしてくれるグッズがたくさん入っている。こんなにたくさんくれるんですか~!?平民はびっくりなのである。
ビジネスクラスっていくらなの~!?と思って調べたら2倍どころじゃなくて笑ってしまった。そりゃあサービスしてくれますよね。

空港に着くと私はもう終電間近。
松本さんに挨拶をしてササッと解散になってしまったがとても楽しい旅行だった。
Googleマップに全く頼らず、英語を使って現地のマップを広げ、フラフラ現地を散歩しながら目的地を目指す。タクシーも使わないし効率的じゃないかもしれないけど、街や人の雰囲気を楽しむのがとても良かった。
一緒に旅行する人でこうも視界が変わるものかと驚いた。
また、現地の人に案内してもらえるなんて私ひとりでは絶対にありえなかったことでとてもいい経験が出来た。
私は普段ぐーたらしてるくせに旅行になるといろいろ予定を詰め込んでしまったりするんだけど、いつもと違うものを求めて旅行に行くのに意味なかったなぁ~と反省した。
現地の偶然を重ねて脳みその普段使ってない部分を動かすのがこんなに楽しかったとは。

視界が開けるいい旅行だったけど、2kg太りました。ぶひ。

バンコク3日目

バンコク3日目。

早朝7時。
目の前の部屋から疲れ果てた松本さんが出てきた。
「全然眠れませんでした…」
どうやらこのフロアはインド社員旅行のみなさまが泊っているらしく、夜になると部屋を跨いで、というかもう廊下で宴会をはじめてしまっているのだ。
よく見ると松本さんの部屋のドアが歪んでおり、上下に隙間が出来ている。これは防音効果が期待できない。

ぷりぷりに怒りながらホテルのフロントへ苦情を言いに行く。
私たちのエリアを見に来るといい。すごい騒音だから。と松本さんが言っているのがなんとなくわかった。

私は小心者であまり苦情が言えない質なので松本さんはしっかりしててすごいなぁ~と思ったのだが、
「言語には性格があって、英語だと強い感じになる」とのこと。
なるほどなぁと学びがあった。確かに普段の先輩は柔らかい。
言語には性格がある、というフレーズがかっこよくていつか私も使いたいと思った。

今夜は騒音が収まっていることを願う。

ウィークエンドマーケットへ

私は松本さんのうしろを「楽しみっすね~えへへ~」と言いながらついて行くだけなので行き方はまったく覚えていない。電車で結構端まで来た気がするのだが…。

私たちが到着したのは早朝すぎて開いている店もまばらだった。
しかしとてつもなく大きい規模の市場だということはGoogleマップでわかった。

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まずは眠い頭をシャキッとするためにコーヒー屋さんへ。
まだ人も少ないのでとてもゆっくりできる。

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かわいい刺繍やおいしそうな食べ物、素敵な小物、陶器など…ここへ来れば何でも揃うというイメージだった。現地の人々も多く買い物に来ている。

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市場も広くてとても午前中だけでは全体をまわれない。
私たちは本日午後から予定があるため、ここには長居できないのだ。
あっという間に戻らなければならない時間が来てしまった。名残惜しいが仕方ない。
ここは必ずまた来たい。

12時 ご友人と待ち合わせ

ホテル近くのショッピングモールにて。
松本さんは留学先で数々のお友達を作っているのだが、そのうちのタイ人のご家族と、タイに駐在している日本人のご家族が案内してくれるらしい。

私は純粋無垢な能天気おばさんなので何も詳細を聞かずにいたのだが、よく考えたらみんな英語で話すのでは…?と待ち合わせ場所についてから気が付いた。

冷や汗をかいていたが、英語が喋れるのは留学生組だけだったので、英語が喋れなくても戦犯にはならない空気があってホッとした。
というかタイ人のご家族がとてもやさしい方々で、言葉が通じないなりにも温かく迎えてくれているのはわかった。

じゃあまずはご飯を食べに行こう!
ということでショッピングモール内の駐車場に泊めてあるタイ人ご家族の車へ向かう。
レザー張りのピカピカの日産が迎えてくれた。
心に余裕がある空気感などから感じ取れてはいたが、金持ちのにおいが強まった。

私、先輩、タイ人のお父さん、お母さん、3歳くらいの女の子。
日本人のお父さん、お母さん、1歳くらいの小さい女の子が車へ乗り込んだ。
え?何人だ?
8人である。
5人乗りの車に8人がぎゅうぎゅうに詰め込まれてしまった。
後部座席に大人4人が詰め込まれるのは圧巻。いいのか?
一番小さい先輩はもう宙に浮いている。

まったく気に留めない様子でタイパパは車を発進させた。

ランチ

わくわくランチタイムである。
現地の人が教えてくれるお店なんて確実においしいに決まっている。

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グリーンカレーはもう食べた?と親切に聞いてくれる。
初日に食べたけどとってもデンジャー!と言ったら笑っていた。辛いという英語がわからないのだ私は。語彙力が終わっている。
これほど英語を喋れたら…と思った日はない。

もうひとつおすすめのものがあるよ、とデザートを提案してくれた。
なんともち米とマンゴーに練乳をかける謎スイーツだ。

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練乳がすべて持って行っているが普通においしかった。日本でいうところのおはぎらしい。
確かにおはぎもご飯に甘いあんこぶっかけるって正気じゃないよなと思った。

全額タイパパのおごり。ごちそうさまです!!!

ナントカファーム

食後は高速道路か高速道路じゃないのかよくわからない道を時速150kmでぶっ飛ばし、農場体験広場のようなところに連れて行ってくれた。
時速150kmで8人の人間が乗った車がぶっ飛ばしていくのはとってもデンジャー!といった感じで、松本さんだけではなく私も宙に浮いていた。

ついた場所はマザー牧場を小さくした感じの体験型農園で、豚やアヒルがそこら辺を歩いている。

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バンコクは結構都会だったので、おそらく小さいお子さんがいるご家庭は休日にこういうところへ来て自然を学ぶんだなと思った。
やっぱり金持ちのにおいがするぜ…。
聞くと奥さんと一緒に会社を経営しているそうだ。
確かに私たちを案内してくれている間も取引先からの電話がかかってきているようだった。
私が想像していたタイの人というのはとにかくのんびり生きているイメージだったが、それだけじゃあんなに街が発展するわけないし、きっとこのご家族たちのような頑張る層が一般的なタイ人10人分くらい頑張っているんだろうなと思った。
空港職員たちですらスマホをみてダラダラしているのに、素晴らしいな。

ここでは各々が散らばり好きなように動物と触れ合った。
きったねぇ池で泳ぐアヒルを見たり、牛に餌をやったりした

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それぞれのご家族が子供と一緒に緩やかに遊ぶ姿を見て、子供のいない私と松本さんはあまりの眩しさについ自分の人生を振り返ってしまった。
飲んでばかりの人生だったな…。

夕食

なんと夕食まで面倒を見てくれるらしい。
うれし~!

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連れて行ってくれたのはプールがあるお洒落レストランだった。
ここで1番衝撃的だったのは、ビールが永遠に出てくるところだ。

私たちのテーブルにビールサーバーを持ったお兄さんが待機してくれていて、グラスがちょっとでも空くとバシャバシャにビールを注いでくれるのだ。
どれくらい飲んだのかまったくわからない。
最後の方は酔っぱらいすぎて全部ズボンに吸わせていた気がする。口元が緩すぎる。

英語はわからないが完全にキマッた私はなんだかとても楽しく過ごした気がする。
最高の夜だった。

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天才的デザインのトイレ。


最後はホテルの先輩の部屋でちょっと飲んだりしていると、インド人のパーティがはじまってしまった。
完全に廊下から声がする。ガタイのいいおっさんたちがタオル1枚で酒瓶片手にフラフラ廊下を歩いているのだ。怖い。怖すぎる。
松本さんはガチギレして、うるせーぞ!とインド人を睨みつけており、やめてくれ~と叫びたかった。
「ホラ!しらこさんもうるせーぞって怒鳴って!」と廊下に放り出されたが、怖すぎたのでいそいそと自分の部屋へ戻った。
おやすみなさい!

バンコク2日目

英語が喋れない鎖国人材の私と英語ペラペラのグローバル人材の松本先輩。
唯一共通点と言ったら旅行の計画をまったく立てない点で、まずはフロントのソファに座りながら今日はどこに行こうかと話し合う。

アユタヤの遺跡が見たいな~と松本さんに言うと、すぐにホテルの人へアユタヤへの行き方を聞いてくれた。
ベルボーイのおじさんたちが3人くらいわらわらと集まって『どうやって行くんだっけ会議』が開かれた。地図を広げてガハハと笑い出し、英語がわからない私でも「いやいやいや遠いよぉ~笑」と言われているのがわかった。
バスで1時間半ほどとのこと。ひとりならそれくらい全然いいのだが、やはり松本さんの時間も奪うとなるとちょっと心苦しい。
3泊くらいの短い滞在だし、アユタヤはまた次回来た時にするということになった。
さて、そうなると私のタイの知識は~完~である。今日のコースは松本先生におまかせということになった。

まぁホテルでこうしていても腹が空くだけだし街へ繰り出してご飯でも食べながら考えよう!

街ブラ

タイの素晴らしいところは本当にみんな仕事する気がないというかなんというか…
つまり朝の10時だとどこも開いていないのである。
仕方ないのでスーパーに入ってみたり、町の本屋さんに入ってみたりしながら時間を潰す。

突然だが私の趣味は映像制作なので画力の強い観光地まで一直線で行く旅行をよくしていた。素材を集めるためにせっせと観光地を撮る旅。
しかしローカルな本屋に入ってみたりして、ああこれは楽しいと思った。

現地の人が読む本、文具をふらふら見ていると日本との違いがわかって面白い。
観光地は明らかな日本との違いがあり、それはインターネットでもわかる情報なのだが、こういう現地の人々の生活圏で同じように過ごしてみると、ネットではわからない空気感や文化の違いがわかり、私の今までの旅行は表面だけだったんだなと思った。
しかも観光地なんて私よりうまい人たちが幾度となく撮っているわけだしね。

さて、ローカル本屋でカレンダーを購入したりしているとあっという間に11:30になった。
そろそろ店が開くころである。
ちょうど本屋の近くにあったローカルなお店で食事をとることにする。

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大量に猫がいるお店でモシャモシャトムヤムクンパッタイを食べる。
変な粉入ってます?というくらいパッタイがおいしく、大満足である。お腹が満たされるとやっと頭が働きはじめた。

今日の計画を練り、出発。

ジム・トンプソンのアウトレットへ

ジム・トンプソンってご存知ですか?
私は会社で「毎日同じ服を着ているひと」と悪口を言われるくらいファッションに無頓着で、そちらの知識がまったくない。
ジム・トンプソンというのはタイのシルクを使った服や小物を作っているブランドらしく、先輩はそのアウトレットに行きたいとのこと。

電車を使ってアウトレットの最寄り駅へ。

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市街地から少し外れたところなので、一気にローカル感が強くなる。東京の中心地から茨城あたりに来た感じだったが割と道なりに一直線だったので迷わずに到着した。
現地のMAPひとつでここまで来れる松本さんの地図力と英語力がうらやましい。

ジム・トンプソンはタイではかなり高級なブランドなようで、地元の人はまったくいなかった。観光客、しかも白人が多いように思う。
ジム・トンプソンさん自身がアメリカ人だしアメリカでの人気が高いのかもしれない。

私は今まで旅行であまり買い物をしたことがない。女子旅ショッピングは魅力がわからないなぁ~と思っていたのだが、ここはとても楽しく明日からの服やお土産などたくさん買い込んでしまった。
日本ではなかなか見ない色使いやデザインにとても惹かれた。
松本さんもたぶん3万くらいぶっとばしていて、とても楽しかった。


その後、ローカル感の強すぎるコーヒーショップ?へ。
25バーツ(90円くらい)という激安で、かなり濃いコーヒーを提供してくれた。

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果たしてここはコーヒーショップだったのか…?ちょっと「家」感が強すぎてどういう気持ちでコーヒーを飲んでいいのかわからない。
簡易的な椅子とテーブルがふたつほどあり、それと同じスペースで家族が団らんしている。
つまり他人の家のリビングをちょっと借りているくらいの空間なのだ。

長男はMacを前にギターを弾き、まだ小さい子供たちは両親と一緒にNetflixを鑑賞している。

コーヒーを飲みながら松本さんとアウトレット楽しかったですねと談笑しているとうしろから大音量でNetflixの映画の音が聞こえてきた。
完全にsex & violenceな音がするのだが家族団らんで見る映画じゃなさすぎて思わず笑ってしまう。エログロの時代劇ものだ。

コーヒーを飲み終わり、ありがとうございました~とコップを返すと、テレビの前からお母さんがちょっと照れたように会釈してくれた。
いやはや家族団らん中にお邪魔して失礼いたしました。

しかし私一人ではこんなお店には入ったことがなかったので、これもまた楽しい経験だった。


私たちはこのローカル感溢れる街がすっかり気に入ってしまった。
やってきた駅からもうひと駅ぶん歩いてみることに。

どんどん観光客が減ってきたところに、地元の人たちしかいないような市場があった。

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日本のお祭りで見かけるようなおもちゃ屋さんを覗いてみるとドラえもんピカチュウのパチモンがたくさん並べられていて、私は興奮してしまった。
クオリティの低いパチモンが大好きなのだ。

しかし最近はパチモンをほぼ見なくなってしまったし、あったとしてもクオリティが高い。しっかり模写できる人が作っているか、公式の絵を使いまわしている。
私はドラえもんを見たことのない人が描いたドラえもんが大好きなのだ。
迷わずにスマホリングを買ってしまった。

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おまけにピカチュウの人形もかなり心に刺さる。
よくある「鳴く犬のぬいぐるみ」を黄色に着色して、手作りのしっぽをケツにぶっ挿している作りなのだ。尻尾をぶっ挿す手間をかけるくらいなら、赤い首輪を外してほしい。
こんな雑なつくり最近めっきり減ってしまった。大興奮である。
ほしいけど完全にゴミだ。しかも割と処分に困るゴミだ。ADHDな私はゴミの分別が死ぬほど苦手なのである。
ああほしい…このほしい気持ちを抑えるためにドラえもんスマホリングを買っているのだ。ここでピカチュウまで買ってしまっては帰国後に後悔するだけだ。

ピカチュウに興味津々な私を見て、店のおばちゃんが「買っていきなよ」とピカチュウのケツのスイッチを入れた。
わんわんわん!
か細い声が鳴り響く。
わんわんわんーー!?たまらない。たまらないが購入は見送り。
クオリティの低さには惹かれるのだが、何年も店先にいた汚れがちょっと潔癖な私的には部屋に置けなくてダメだった。
まぁ今思えば買っても良かったかもしれないな…。

一方松本さんは商店街にあるような婦人服屋に入っていき、竹の葉が全面に描かれたシャツを購入していた。とても満足度の高い市場だった。


駅に向かって歩いているとTESCOという大きいスーパーが見えてきた。
こちらにも寄ってみることに。

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イオン的なスーパーで、衣類から食品からすべてがそろっている。
タイ料理のインスタントでも買おうかなぁ~とトムヤムクンの素をひとつ手に取ったら24個ついてきた。どうやらバラ売りという概念がないらしい。

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まぁばら撒き用のお土産にすればいいか、と購入。グリーンカレーセットも追加で。
やっぱり本場タイの料理はおいしかったので家でも食べたい。

カオサン通り

そんなこんなで19時。すっかりあたりも暗くなってきた。

私はちょっとカオサン通りに興味があった。ザ観光地というところにも行っておきたい。
松本さんはまったく興味がなさそうだったが、私の強い押しで夕食はカオサン通りへ行くことになった。

カオサン通りのことを私は大きい市場くらいにしか思ってなかったのだが、ここはあれだな、パリピ通りなんだな。
ドゥクドゥクしている。ドゥクドゥクパーティだ。
しかもこの日は金曜日。3掛けくらいでパーティーしてそうである。

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私たちはドゥクドゥクしなくていいので、レストラン2階のテラス席からドゥクドゥクしている人たちを見下ろしていた。
松本さんは高いところから人を見下ろすことが大好きらしく、ふたりで気分よく乾杯した。

私たち以外にまったく人がいない店だったので大丈夫か…?と思っていたのだが、とてもおいしく最高のお店だった。

その後はふらふらと通りを歩き、せっかくなので足裏マッサージをしてもらった。

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松本さんは足を押されるたびに「イタイ…何故か肺がイタイ…!」と言っていたので酒の飲みすぎには私も気を付けようと思った。

気付くと深夜1時をまわっている。
カオサン通りはいつまでも賑わっているのですっかり時間の感覚が狂ってしまった。
もう電車もないはずなのでタクシーを拾ってホテルまで帰ることに。

夕食代を松本さんからもらったのでタクシーの代金は私が支払う。
「ちゃんとおつり確認してくださいね!」松本さんが私の手の中をのぞき込むと「あ!!足りませんよ!」とすぐにタクシーの運転手に英語で話しかけてくれた。
タクシーの運転手は「ちょっとくらいいいじゃん」という感じだったが松本さんの剣幕に押され、きちんとおつりを返してくれた。英語パネェ…。私は今日だけで英語の素晴らしさをひしひし実感した。

私たちのホテルの近くもどうやら繁華街のようで、パーティピープルたちがドンチャン騒ぎをしている。眠らない街バンコク…金曜夜はすごいぜ…。

明日は早起きを頑張るためおやすみなさい。

バンコク1日目

会社の旅行好きな松本先輩と一緒にタイのバンコクに行ってきた話。
以前プーケットには行ったことがあるのだが、1泊2日という出張なのか…?レベルの日程で行ってきたため、何もタイを満喫できなかったのだ。
リベンジ旅行である。

出国

9:30成田空港集合という約束だったが時間の逆算が苦手な私は7:30に成田に着く。
遅刻よりマシなのでスターバックスでコーヒーを飲みながら待ちぼうけ。

松本さんはしっかり9:30にやってきた。そして私を見て開口一番「さむっ!」と叫んだ。
この時は3月だったのだが、タイの3月は暖かいと思い、私はやせ我慢しながら夏服&サンダルで成田に来ていたのだ。
私も薄々「こういうのって違うかも…?」と思っていたが、やっぱり違ったらしい。

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飛行機の中で見たキングスマンに恋をする(帰国後DVDを購入した)。
タロンエガートンが私の中でクリティカルヒットし、一度見てはまた最初から見直すというエンドレスキングスマンを行っていた。

そんなことをしているとタイに到着。
空港の職員たちがスマホを見ながらだらだらしていて、早速タイへ来たという実感がわいた。

バンコク市街地へ

私は3ヵ国くらいしか行ったことのない海外旅行超初心者で英語も喋れない。
対して松本さんはイギリス留学をし、各国に友達も多いためしょっちゅう海外に行っているグローバル人材である。
私はいつもタクシーを利用してホテルまで行ってしまうのだが、松本さんはそんなもん高いと電車を利用。スマホも海外契約していないため、現地空港にあるMAPと英語力だけで交通をクリアしていく姿を見て英語やべぇと思った。

20時。ホテルに着いたらもうすっかり夜だった。

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街はとても栄えていて車の渋滞がずっと続いている。きっとレストランもすぐに見つかるだろうとフラフラ街に繰り出したが、どこのお店も閉まっているようだった。

お腹がすいて死にそうなので唯一開いていたチェーン店に入り、ビールとグリーンカレーを頼む。
グリーンカレーが鼻水と涙でぐちぐちになってしまうくらい辛く、早速タイの洗礼を受けた。

ホテルに戻り、まだ心の距離がある私たちは別々の部屋で就寝。
明日から本格的に遊びまくるのである。

アルコール依存症として病院に行った話

失敗をしているのは私だけではない。極論を言えば私は悪くない!と思い込みたい。

年に数回、死にたいくらいの失敗をする。
テンパって、どうしたらいいのかわからなくなって、とにかくググる
「納期 滞納」「自制心がないクズ」「酒 失敗」などなど…。

自分と同じ境遇、または自分よりやばい体験を見て「大丈夫…死なない…何とかなる…」と心を落ち着かせたいのだが、なかなかちょうどいい事案がないと気づいた。

なので私のまぁまぁやらかした体験を晒して、後世の人々の役に立てたらと思った。
思い出したくもないトラウマ度高いやつはまだ書けないけど、記憶が風化してきたものならいける気がする。


アルコール依存症として病院に行った話

酒が好きだ。
どれくらい好きかというとこれが原因で貯金がないくらい好きだ。
さらに言うと終電を逃して朝まで飲んでしまうくらい大好きだ。

上京してから数年はそんなHAPPYな生活を続けていたが、3年前に同棲を始めてからというもの朝帰りをするとめちゃくちゃに怒られるようになってしまった。
いい歳をした大人が床に正座させられるのだ。ただ事ではない。
なぜこんなに怒られるの…?
私の中で朝帰りはさほど重い罪ではなく、
「時間を忘れて話し込んじゃった!だから朝帰りになっちゃった~!」という楽しかった証明であり、開けっぴろげに教えてあげるくらいのものだった。
「現職ならまだしも前職の人たちと飲んで朝帰りするなんて信じられない。関係を続けることに一体何のメリットが?」
と言われた時は単純にこの人がサイコパスで、世間はさほど朝帰りを悪いものと思ってないだろ!と考えていたが『朝帰り 何故怒られる』でググった結果、なんだか間接的にボコボコにされてしまった。
信じられない、誠意がない、クソ、叩き出してやれと世の朝帰りをするサラリーマンたちがボコボコに言葉の暴力を受けていたのだ。

基本的には浮気を疑われるらしい。
そんな馬鹿な!
私は浮気なんて考えたことがない純朴でハッピーな脳みそなので、私が楽しかった飲み会だから同棲相手も喜んでくれるだろう、くらいの気持ちだった。純度100の純粋無垢おばさんだったのだ。

それからというもの、終電を逃したあとはタクシーで帰宅するミッションが課せられた。
しかし高い…タクシー代だけで1週間に1万円ぶっ飛んでしまう。
なので半年に1回の朝帰りは止むを得ず…なんてことをしていたらいよいよもって口をきいてくれなくなってしまった。
さすがにやばい…ここは一発誠意を見せるか!と思い「じゃあアル中の病院に行って更生してきますわ!」と逆ギレしつつ病院の予約を取りつけた。

私はアル中なのか

アル中診断の待合室。
そこは統合失調症うつ病などの他、アルコール、薬物、ギャンブル依存など幅広く扱う精神科だった。
病院の近くにコンビニがあるのだが我慢できなくなったおじさんがヒッソリ缶チューハイを買ってポケットに突っ込み、看護師さんに退場させられる光景が広がっていた。
あ、ちょっとガチなところに来てしまったなと思った。

「初回は同棲している方も来てください」と言われていたので連れてきたが、繊細な彼は「ウシジマくんの世界だ…」と完全に怯えきってしまっている。
私も「真鍋先生は本当にきちんと取材をしているんだなぁ…」と思った。

診察する前に看護師さんから簡単な聞き取りが行われた。
正直私は毎日お酒を飲んでいるわけじゃないし離脱症状もない。
気の合う人と飲んだ時に記憶がぶっ飛ぶだけで、そんな人はサラリーマンなんかに結構多いと思う。
看護師さんが「穏やかだしちゃんと話もできるなぁ…」と言ったのを私は聞き逃さなかった。
そう、きっと私は場違いなのだ。ふらふらと迷い込んでしまった異物状態だった。

しかし先生の診察で「アル中片足ツッコミ状態」という診断を受けてしまう。
薬の処方までされてしまった。
誠意見せたし、この後は久しぶりにふたりでランチにでも行ってワインを飲も~と思っていたのだが計画が崩れてしまった。
更に先生は「明日からデイケアに来なさい」と言う。
朝からみんなで集まって夜まで一緒に過ごし、強制的に酒を飲めない時間を作ろうという治療法だ。海外ドラマで円になって「おめでとう」って言い合うみたいなあれだ。

ちょっとそういうのに憧れがあった私は、ちょうど有給が有り余っていたので参加してみることにした。
これで私の困った酒の飲み方が改善されればラッキーだし、もしかしたら友達ができるかもしれない。
ポジティブで純粋無垢なおばさんは期待に胸を膨らませた。

ちなみにその後「1錠飲んだら飲みたい気持ちがスッと消える魔法の薬(数ヵ月に解禁になった新薬)」を飲んだらホントにランチでワインを飲みたい気持ちが消えてしまい、脳みそこねこねされてるやんけ…とちょっと引いてしまった。以降飲んでいない。

アル中デイケア

デイケア行ってくるね~!」と元気よく同居人に言うと「よく行けるね…僕はウシジマくんの世界を見た感じがして生気を吸い取られたよ…」とゲッソリしていた。
私はむしろ遠足に行く気でいた。
同じ属性を持つ人とは友達になりやすい。私はちょっと世間から浮いている分なかなか友達ができないため、今回のデイケアで同じ悩みを持つ友達ができたらいいなぁ~とわくわくしていた。
しかも昼食と夕食も出るのだ。
潔癖症な私が果たしてよくわからない他人が作った料理が食べられるのか若干の戸惑いがあるが、まぁいいでしょう。
とにかく楽しみなのだ!

病院に着くとまずは女性の患者だけの階に案内してもらえた。
20名ほどがすでに揃っていて、ミーティング????を開いているようだった。
私も自己紹介をし、席に着く。

順番に『自分がどんな依存症でこれまで何をして何を失ってしまったのか』を告白する時間が始まった。
ほわ~~~海外ドラマでよく見るやつだ~~~!と感動したが、それは一瞬で砕け散った。
まずここに集まっているのはアルコール依存症だけではなかった。ギャンブル依存症、薬物依存症などすべての依存症患者が集結していた。
そしてエピソードが、もう私なんかと比べ物にならなかったのだ。

私の困った部分は「気の合う仲間と飲むと止め処なく飲んでしまって終電を逃し朝まで飲む羽目になる。記憶もだいたい無くす」という点なのだ。家ではそんなに飲まないし、気の合わない人ともそんなに飲まない。
もう飲酒はやめよう…貯金が全然ないじゃないか…と反省しているにも関わらず飲みに行ってしまうだらしなさが問題なのであり、酒が原因で借金をしているわけでもなければ人間関係も破綻していない。
私は自分の生活が最低限守られた状態での飲酒しかしていないのだ。

ここに集結した戦士たちは違うのだ。
たぶん依存症が二次障害なのだ。
最初に大きなうつを患うだとか、知的障害を持っているとかがあって、そのつらさから飲酒などに逃げている人がほとんどなのだ。

あああああ~~~完全に場違いなところに来てしまった~~~!
私の番が回ってくる。
「ろ、ろっぽんぎで毎日朝まで飲んで、タクシーで帰宅しています…い、一応仕事には行けているのですがこのままではまずいと思い参加しました…」
毎日なんて飲んでない。完全に盛っている。盛っているのにここではパンチが弱い。戦闘力たったの5。ゴミである。

みんな私が「ちょっと違う」と気付いたようだった。
そもそも見た目からして違うのである。一生懸命に依存症と戦っているのであまり身なりを気にしていない人が多い中、友達を作ろうと気合を入れてきた私はオフィスカジュアル状態なのだ。
これは詰んだ。
昨日の時点でどうしてガチ度に気づかなかったのか…どうして私はここまでポジティブでいられたんだ…。

そんな中、何人かはルールなどを親切に教えてくれた。
「休み時間中には外に出てもいい」「タバコはあっち」「ご飯の配膳は係が決まっているからやり方見ててね」
しかしここで私は自分の衝撃的な特性を思い出す。
私は恐ろしいほど集団行動が出来ない人間だったのだ。
小学校の時点で連れションが理解できず、誘いを断り変人扱いされていた。中学校では休み時間空き教室に忍び込んでひとりで過ごしていた。高校でもHR後教室から1番に飛び出していたし大学4年間で出来た友達は片手で収まる。
もう1時間でアウトである。眩暈がして叫び出したかった。
まずルールが無理なのだ。集団で生きるためのルール。
私は制作系の会社にいるのだが、基本的にみんな「自分にしか興味がない人たち」だった。
私が何をしても咎められることはなかったし納期までに物を作れば何も文句は言われなかった。
しかしここではヒエラルキーを感じる。目に見えないリーダーがいて、目に見えないローカルルールがある。
残念ながら私にその空気を読む能力はない。

「刑務所の方がご飯おいしかったわ!」という会話を聞きながらお昼を食べ終える。
2時間の休憩時間があるということだったので私は近くのファミレスに避難した。
心が震える。
もうだめだバックレようという気持ちと、せめて一言先生に断って帰ろうという気持ちと、さすがに1日だけはいようという気持ちの間で戦っていた。

というかこんなに集団行動が苦手だなんておかしい。狂っている。社会性ゼロだ。
この当時自分が発達障害なのでは?という疑惑があったので、ここで発達の病院を予約した(後にビンゴだと判明する)。
この踏ん切りがついただけでも今日は無駄じゃない。そう思いたかった。

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同居人に送ったLINEだ。完全に心が折れている。
しかも送信日は2019年4月30日である。平成最後の日に何をやっているんだ私は…。

とりあえずバックレはだめだよと諭されたのでヨボヨボと病院に戻る。
看護師さんに「無理です…明日から私来ません…無理でした集団行動…」と泣きつき、とりあえずの了承を得る。あとは午後の数時間…頑張ろう。人生で考えたらほんの一瞬だ…。

午後は脳トレの時間と聞いていたので黙々と集中できるものがあるなら何とかなるかな…と思っていた。
しかし配られたのは小学生くらいのワーク1枚だった。冊ではない。枚である。
こんなの秒で終わっちまうじゃいか…と解きはじめすぐに終わってしまった。
周りを見渡してみる。終わっているのは私だけだった。
というより問題を最初から解く気がなく寝てしまっている人、問題に躓いている人がほとんどなのがショックすぎた。
もうみんな疲れきっていて気力がないのか…?
しかしまだ問題を解く時間はたっぷりと残っている。ぼーっと待ち続ける1時間は地獄でしかなかった。

その後はゲームをするとのことだったのだが、手作りのパターゴルフだった。
パターゴルフ…?だったのか?あれは…?
手作りなのでとても小さい。そもそもパターのクラブがない。百均で買ったおもちゃの魔法のステッキでピンポン玉を打つ。
幼稚園並みのクオリティに眩暈がした。これをみんなに見守られながら笑顔で打たなければならない。集団行動が苦手、嘘がつけない、馴れ合いも無理、職員の人が一生懸命に作ってくれたゲームに対して文句をつけてしまいそうになる私にはもう地獄でしかなかった。正直少し気絶していた。記憶が曖昧だ…。
こんな風に扱われてしまうのか…依存症になるとここまで大人として扱われなくなってしまうのか…ぶっ倒れちまいそうだった。

地獄の時間をクリアし、夕食となった。
配膳が行われ、適当に近くのものを取ったら「あなた小盛りで申請してないでしょ?普通盛りのやつを取って!」と怒られる。もう食べんでいいよと言いそうになりながらすみませんと言う。そんなルール聞いてませんがなof the yearである。
こういうのも絶叫レベルで無理なのだ。ここのルールが世界のルールだと思っている人とうまくやっていけないのだ。
トイレに入れば「流したの?」と聞かれる。逆に流さないとかある?という言葉を飲み込む。みんなきっと私の異物感を感じ取っているのだ。

じっと待っていると私の診察の時間がやってきた。
先生と話をして、このデイケアは終了である。
長い長い1日だった。
診察室に入り開口一番「無理でした」と告げるが先生は引かなかった。
「最初はみんなそう言うんだけど続けることに意味があるから…」
冗談ではない。嘘をつかない私は正直に「今ここで早く帰るために「わかりました」って言いますけど明日から来ないです」と言ったらようやく折れてくれた。
「じゃあ薬だけもらいに通院して…」と言われて元気よくはい!と答えたがあれから行っていない。

後に発達障害と診断され、私のアルコールが止められないのはこちらが原因だったことが判明する。

それにしても学びの多い1日だった。
私は自分を中心に考えがちであった。私みたいにポジティブで強い人たちがいるものだと思っていたがまったくそんなことはなかった。
社会人になるとコミュニティも選択できるので自分と同じく強い人たちと一緒にいることが多かった。まさかこんなに脆い人たちがいるのかと衝撃を受けた。
知らなかったのだ。こんなにつらくもがいている人、もがく気力なんて何もない人、そもそももがき方がまったくわからない人がたくさんいるんだな…。
人にやさしく生きようと思いました…まる。

台湾4日目

ぶんぶんハロー。

蓮池潭

朝。
ちょっと疲れがMAX来てる。
でも今日は台湾で一番気になっていた龍虎塔へゆくのだ。頑張るのだ…。

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まずは電車で左営駅へ。
駅前に謎のオブジェが立っているので記念撮影し、ここから蓮池潭というところへ行く。
なんか大きな湖?池かな?そんなところに、龍虎塔をはじめいろいろとまぁINPACT!!!!って感じの建物が建っているらしい。歴史的背景とかはまったく調べてないんだけど、ビジュアルにB級感があって心惹かれるものがある。

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このインパクト。すごくない?
作っちゃったぜ!やってやったぜ!みたいな感じ。すき。

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暑い…タクシーを使わなかったことを後悔する距離。
(そして途中出会った野良犬のような飼い犬たち)

この池は思った以上に大きくて、しかも私は龍虎塔から一番遠い入口に辿りついてしまった。
しんどいが歩くしかない。
途中、池で父親と少年が釣りをしていたけど、少年の方が突然フラフラとしはじめ気を失って池に落ちてしまった。
父親が急いで池に飛び込み少年を救い上げてたが、私としてはどうしていいかわからずにオロオロした。
熱中症だろうか。怖すぎる。
そしてこういうときどうしたらいいのかもわからず怖すぎる。とりあえずお父ちゃんが助けてくれててよかった。私はいそいそとんずらします。言葉がわからんのだ。悪いことしてないのになんかばつが悪いぞ…。

池の周りでは釣りをしている人も多く、なんだかローカル感があってよい。
ランニングをしている人も多く見かけた。意識が高いな。日の光を浴びる時間に起きれる人たちの場所だここは。パワーがある。

池に沿って歩いていると結構大きいお土産屋さんを見つけた。
レジを見るとクレジットカード利用可能と書いてある。
私はもうあまり現金を持っていなかったのでちょうどいいと思い、ここで会社や友人、家族へのお土産を買って行こうと思った。

お茶やパイナップルのお菓子を持ってレジへ行く。クレジットカードを渡すと…読み取りエラー。
あれ~????
もう一回、そしてエラー。
「おかしい、もう一回!もう一回やるわ!」
店員さんがカードの磁気部分を丁寧に拭く。気合を入れて再度読み込み。そしてエラー。
まじかよ…。仕方ないので現金で払うことになってしまった。
まずい、これはまずいぞ…。
ギリギリ支払うことが出来たが、もう財布の中の現金は120元しかなかった。帰りの電車を考えると、私はもうこの土地でなにも購入することができない。
もしも龍虎塔に観覧料とかあったらアウトだ。

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龍虎塔についたのにまったく心が躍らない。財布の中に120元しかないという現実が突き刺さる。
ここは観覧料あるのかしら…?近くにあったベンチに座ってGoogleすることにした。

…するといい香りがしてくる。
これは…イカだ…イカをフライしている匂いだ…。
もうすぐお昼の時間である。
かなり朝早くに出てきたので、ろくなものを食べていなかった。ああたべたい。いくらだろう?
イカは屋台で売られていた。屋台に値札はなかった。
私はこれくださいとイカを指さした。
おねえさんは「one hundred twenty」と言った。
意外と安いじゃん!と思い20元を差し出した。お姉さんは苦笑いして首を振った。
「one!hundred!」

へぇ、120元もするんだ。これ。
私は公園のベンチに座って龍虎塔を眺めながらイカを食べていた。
120元するだけあってとても量が多い。これはイカ1杯入っているのでは…?
どうしようかな、どうしよう…。
私はついに無一文になってしまった。どうしよう。
そこら辺のお店に泣きついたら電車賃くらい貸してくれるんだろうか…。ああ落ち着かない。知らない土地で無一文、言葉も通じない。
気持ちもお腹もいっぱいだった。泣きだしたかった。

こんなときはgoogle先生だ。
ここから30分ほど歩いたところにセブンイレブンがある。
私の大好きなセブンイレブン。コンビニの中で一番好きだ。食べ物がおいしいし、ATMが使いやすい。
そう、ATMだ。セブン銀行セブン銀行様。
このセブン銀行様にクレジットカードを突っ込むと、キャッシング枠を使って元が出てくるとGoogle先生はおっしゃっている。
もう、ここに行くしかない。このクソ炎天下の中30分も歩くのは気が遠くなるようだけど、この心細さを一刻もはやく解消したい。
私の心は龍虎塔どころではなくなっていた。

観光客どころか地元の人も歩いていない閑静過ぎる住宅街を通りセブンへ。
暑すぎてめまいがするがATM様に無事たどり着くことが出来た。嬉しい…あああ…お金が出てきた…。
私は海外旅行するとき「言うてもまぁフリーWi-Fiあるっしょ!」と海外旅行用のWi-Fiを契約しないタイプだったんだけど、台湾は偶然Wi-Fiが目に止まり申し込んでいた。
本当に助かった。どこにでもフリーWi-Fiが飛んでるわけじゃないし、私は知らない土地で途方に暮れるところだった。恐ろしすぎる。自分の危機管理能力の低さが恐ろしい。

帰りましょう

なんだかもう疲れ果ててしまったのでとぼとぼホテルへ引き返すことにした。
この3日間、もう嫌というほど歩いたのだ。最終日くらいゆっくりしよう。
セブンでかわいいミルクティと缶ビール6本を購入。

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ホテルで湯舟にお湯を張り、ビールを飲みながら2chを読む。至福でござる。

そんなことをしているとあっという間に夕方になってしまった。
台湾最終日…何かおいしいものを食べに行かなきゃ…とホテルの周りを散策してみるものの、これと言って食べたいものが思い浮かばない。

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犬やらバイクやらを眺めて過ごす。

「うちのごはん」

なんだかあの看板だけ文字が読めるなぁと思ったらアレ日本語じゃありません?
もういろいろと吹っ飛んでしまった。
結局私は日本語に飢えていたのだ。
この4日間、ひとりで黙々と歩き続きた。聞こえる日本語はほとんどない。
文字でもいいし言葉でもいい。日本語に触れたくなっていた。
しかも人が並んでいる。現地の人があれだけ並ぶということはおいしいってことなんじゃない???

店内に入ると「いらっしゃいませ!!!」と店員が迎え入れてくれた。
あああうれしい…いらっしゃいされてる…うれしい…。
メニューも日本語だ。なんかちょっと怪しいところもあるけどちゃんと日本語。うれしい…。
写真も載っていて親切。しかもめちゃくちゃおいしいよおおお!!
いい具合に中華料理系の感じと日本食が共存してて完全においしかった!
テンションが爆上がりしてありがとうね!!って店員に話しかけたら通じませんでした。いらっしゃいませだけだったのか…。

ホテルへ

明日はここを4時に出なければならない。
しかし夜型で22時を過ぎたころからテンションが爆上がりしてしまう私はなかなか寝付けず、綾瀬はるかの「奥様は、取り扱い注意」も3週目に突入した。
(ずっとホテルの日本語チャンネル的なところで放送していた)

もちろん翌日は30分ほど寝坊してすっぴんで帰国する羽目になった。
今回も楽しい旅行でございました。

台湾3日目

ぶんぶんハロー。

台南へ

これから台北駅まで行って新幹線で南下します!

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うふふ、ホテルへ行く道の途中でいつも死んだみたいに寝てた犬ともお別れ。
(後日この写真を出会い系アプリのプロフィール写真にしたらいいねがなにも来なくなりました)

昨日、台北駅を彷徨ったおかげで新幹線乗り場は完全に把握しているのですんなり乗車。

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中は日本の新幹線とまったく一緒だったので、気になって調べてみたら三菱重工が受注していた。ほへ~。

安平開台天后宮

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台南駅は広い!
そしてクソ暑い。

台北も暑くて毎日ぐちゃぐちゃになっていたけど、ここの暑さはさらに1段階上がった感じ。
景色も南国って感じで、何やらシーサーのような置物もある。

さて、私はここをさくっと見て回ってさらに高雄まで南下する予定なので、急いで行動しなければならない。
台南から高雄へは鈍行で1時間程度。
キャリーケースをこの駅で預けて観光に繰り出す予定だったのだが、昨日ホテルで調べてみたところ新幹線の「高鐵台南駅」と、鈍行の「台鐵台南駅」があり、このふたつは結構離れているとのことだった。
まじかよ。
鈍行で高雄へ行くにはこの駅ではなく台鐵台南駅に行かなければならない。
あああなんてこった…このクソ重いキャリーケースを持って観光しなければならないのだ。いろいろ考えて行動しないからこうなる。

時間がないのですぐにタクシーを拾う。
今回は台湾で初めて女性ドライバーに当たった。あ~~車内が清潔でよい。。

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まずは安平開台天后宮。
派手。the南国の寺って感じ。私はここがとても気に入った。異国情緒感がある。
まわりの広場は市場になっていて活気があり、ショーを行っている人もいた。
やはり生活と寺が繋がっている感じがいい。
龍山寺よりもローカル感がよかった。

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ここの入口では孫悟空?のコスプレ?をしたおじさんがいて、I LOVE YOU!!!と言いながら握手を求めてきたのに圧倒された。
なぜ?
普段はこういうおじさんに乗ってしまう方なんだけど、センスが異質すぎたのと、なんか手袋が汚かったのでthank youとだけ言って逃げてしまった。
あんなにフレンドリーだったのに人がいなくなると煙草をスパスパ吸い始めるのも、また目が合うと手を振ってくるのも面白いのでつい遠巻きに動画を長尺撮った。彼はいったいなんだったの…?

しかしお寺の中にいるおじさんはとてもいい人で、祈り方がわからない私に方法を手厚くレクチャーしてくれた。
大変満足!!
と言いたいところなんだけどクソ暑い…この暑さはやばい。
そういえば2018年は猛暑でみんなしにそうになっていたけれど、あんな感じの暑さだった。常に汗が止まらないので、次の場所へ。

安平樹屋

たぶんキャリーケース持ち歩いてるのも悪いんじゃないかな…。

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途中、我慢できなくなり屋台でマンゴーアイスを買う。暑い…。でもマンゴーアイスはうまい…。

先ほどのお寺から続く市場を歩いていくと、安平樹屋に到着。

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木の生命力。感じますね。
感じます。

これは階段の上に上るのも、下りるのも一苦労。なぜならキャリーケースを持っているから。
もういかん…途中見つけた喫茶店へ駆け込む。
ソフトクリームとコーヒーを購入。
ソフトクリームをカウンターで受け取る女の子が、受け取った一瞬でカウンターのおしゃれな背景を利用してインスタ写真を撮っているのを見てなるほどですね~と感心した。

あ~~~エアコン大好き~~~
あ~~~~~。
汗が引いてきたので、もう高雄いきます。
タクシーを拾って、台鐵台南駅へ。

高雄へ

ここは田舎のJRって感じの駅。ちょっと大きめの、田舎のJR。
私は台湾で過ごしたこの何日かでプラットホームのことを「月台」って呼ぶんじゃないかということに気づき始めた。

駅員のおじさんから指定席でチケットを購入した際に「高雄 月台?」と書かれたメモを渡したら、プラットホーム番号と時間まで書いて渡してくれた。
ありがたや~~~!台湾の人は優しくて好き。

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早速電車に乗り込むと、私の指定席におばさんがどかんと座り込んでいた。
「あの…ここ、私の席だと思うんですけど…」
と声をかけるとおばさんは「ふふ、来たわね。そうよここはあなたの席よ」と威風堂々去っていった。
異国情緒…。

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で~ん!高雄に到着。
都会だね。ここからホテルに向かおう…かと思ったけれど、まだ日が沈むまで時間がありそうなので駁二芸術特区へ寄ることにした。
もちろんキャリーケースはメトロのロッカーへ置いていく。

駁二芸術特区へ

お土産を買うのだ!
なんだか、よくわからないけど、横浜の赤レンガみたいな、おしゃれな雰囲気なのだ!

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ちょっと離れたところでは、クリーマみたいな。ミンネみたいな。おそらくハンドメイドの何かのイベントが開催されていた。
ふらふら歩きまわってみると猫のかわいい石鹸を売っているお兄さんがいた。
わ~かわいい!お土産にいいなと思い「わ~かわいい石鹸ですね」と話しかけてみる。
「???」
お兄さんが首を傾げ、二人の間に気まずい沈黙が流れた。
沈黙に耐えられず私が手を洗うジェスチャーをしてみる。ソープ。石鹸。
「ああ!石鹸じゃないよ」とお兄さんが猫を私の手に置いた。
固ってぇ!!!石膏じゃんこれ!!!

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な、なに?なんで石膏で猫の生首なんて作っちゃったの…?
「ここにアロマオイルを垂らして、においをつけて部屋に置いておく」らしい。
それアロマディフューザーでよくない?

「石鹸なら、こっち…」
お兄さんが隣の商品を指さす。そこにはとっても丸い、何の変哲もない石鹸が置かれていた。う~~んこれじゃないなぁ…どこでも買えそうだしなぁ…。
「これはアボカド、こっちははちみつ…」
とお兄さんが一生懸命に拙い英語でコミュニケーションを取ってくれているのでなんだか申し訳なくなり、猫の生首の石と石鹸をふたつほど購入した。
お兄さんが猫の生首にアロマオイルを垂らしてくれるというので、3種類のうちからハーブ系のものを選びお願いする。
ふたりとも中学生以下くらいの英語能力で喋っているんだけど、ペラペラ英語が喋れる人を相手にするよりも向こうが何を言っているのかを理解することができて、同レベルの言語力というか、そういうものがコミュニケーションでは大事なんだなと感じた。
ジェスチャーと英単語で会話が出来てしまうのが楽しくて、ついつい猫の生首の石まで買ってしまったのだけど、まぁ旅のいい思い出が出来たと思って私の部屋に大事に飾ってあります。

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その他、雑貨屋さんなども数多くあり、かわいいお土産を大量に買い漁ってここは終了。
もう疲れてぶっ倒れそうなのでホテルへ行くことにする。
歩いていると腰に来るんだけど、これって私の歩き方が悪いのかしらね。

高雄のホテル

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ひゃ~~~~よきホテルぅ~~~
「KUMA」って書かれた「PUMA」のパクリTシャツでやってきたのが恥ずかしすぎて死にそう。

ちょっと休んでから夕食を食べに外へ。
…なんだか意外と街灯が少なく…
歩いてればなんかあるだろと思って何も調べずに歩いてしまったのだけども、もしやこれは間違った方向へ来てしまったのかしら…?
も~~~ソフトクリームから何も食べてないよ~~~死にそうだよ~~~。
次に見つけた店に入る!と心に決めたらカレー屋だった。
まぁお洒落だからよいでしょう。
店員さんもみんなおしゃれ。イケメン。ありがとう。ちょっとうれしい。

さくっと食べてお会計しているときに、レジのお姉さんに英語でペラペラ話しかけられたのだけども、まったく何を言っているのかわからなくてお互いにごめんという間が出来てしまった。
あれ~~~???お昼の猫の生首の石を作ってる人とはコミュニケーションが取れたんだけどなぁ…。
やっぱり同程度の語彙力の方が話が通じるのね。不思議。

ホテルのバスタブでビールを飲んでリラックス。
あ~~~癒されるぅ~~~。
いつも旅行するときは後半にバスタブ付きのホテルを予約して疲れを飛ばす。シャワーだけの生活はしんどいわ。

日本語のチャンネルで綾瀬はるかのドラマが流れていたので見つつおやすみ。